「好きなことを見つけよう」
「もっとポジティブに考えよう」
こうした言葉に触れるたび、
なぜかピンとこない、しっくりこないと感じたことはありませんか?
前向きな言葉を聞いても心が動かない。
情熱を注げるものが見つからず、
どこか満たされない感覚が続いている。
私は、この「しっくりこなさ」こそが、
本当の価値観に近づくための重要なサインだと考えています。
なぜなら、人生を動かす核心は、
喜びやワクワクよりも、もっと居心地の悪い感情の中に隠れているからです。
私が「ポジティブ探し」を勧めない理由
自己啓発の世界では、
「楽しいこと」「ワクワクすること」を価値観だと定義することが多い。
もちろん、それが当てはまる人もいます。
けれど、長く人を見てきて私が感じるのは、
それだけでは人生は動かないということです。
人が本気でこだわり、
行動せずにはいられなくなるテーマは、
悔しさ、悲しさ、劣等感、欠乏感
といった、ネガティブな感情と結びついていることが圧倒的に多い。
何とも思わないことに、
人は怒りも悲しみも感じません。
つまり、心が強く揺さぶられるテーマこそ、
あなたが本当に価値を置いている領域なのです。
欠乏感や劣等感は「弱点」ではない
欠乏感や劣等感というと、
多くの人は「克服すべきもの」「なくしたいもの」と捉えます。
けれど私は、こう考えています。
欠乏感とは、人生における最初のエンジンである。
認められなかった人は、認められる世界を作ろうとする。
愛が足りなかった人は、愛について深く考えるようになる。
それは生き延びるための戦略であり、
同時に、人生のテーマの原型でもあります。
問題は、
その構造を理解しないまま大人になることです。
すると欠乏感は、
無意識の行動パターンやメンタルブロックとして再生され続けます。
だから私は、欠乏感を「消す」のではなく、
読み解くものとして扱います。
「考えていること」より「やっていること」を見る
価値観を知ろうとするとき、
人はつい「こうありたい自分」を考えがちです。
けれど、本当の価値観はそこにはありません。
価値観は、すでに行動として現れています。
時間、お金、エネルギー。
人は大切なものに、必ずこれらを使っています。
私はよく、次のような問いを投げます。
- あなたは、何に一番時間を使っていますか?
- 何にお金を使っていますか?
- どんなことにエネルギーが湧きますか?
- あなたの生活空間で、一番整っている場所はどこですか?
ここに、
あなたが無意識に守り続けている価値観が表れています。
言葉や理想は、後からいくらでも飾れます。
でも行動は、嘘をつきません。
自分を知るには「他人の人生」を使う
自己分析を一人でやり続けても、
なかなか核心には辿り着けません。
私が勧めているのは、
特定の誰かと自分を徹底的に比較することです。
特に重要なのは、
幼少期の環境や「当たり前」の違い。
なぜあの人はそう考えるのか。
なぜ自分にはその発想がないのか。
人の人生を深く知ることで、
初めて自分の前提の歪みや偏りが見えてきます。
私はこれを、
「人の人生を味わう」と表現しています。
人生のコンセプトは、物語の中に現れる
自分の人生のコンセプトは、
頭で考えても出てきません。
ヒントは、ドラマや映画、漫画など、
物語に心が強く動いた瞬間にあります。
なぜなら、多くの物語は、
- 嫉妬
- 承認欲求
- エゴ
といった、人の「きれいではない部分」を軸に作られているからです。
心が動いたシーンに出会ったら、
こう問いかけてみてください。
「もし、この欠乏感を持った人間が、
この選択をしたら、どんな人生になるだろう?」
その問いの中に、
あなた自身の人生のテーマが映っています。
まとめ|「しっくりこなさ」は、間違いではない
もしあなたが、
- 前向きな言葉に乗れない
- 好きなこと探しに疲れた
- どこか満たされない
と感じているなら、
それはあなたが鈍いからではありません。
もっと深い場所に価値観があることを、感覚的に知っているからです。
弱さや欠乏感、ネガティブな感情は、
あなたを壊すものではありません。
人生の方向を示す、最も正確なコンパスです。
今日、あなたが向き合ってみたい「しっくりこなさ」は、
どんな感情でしょうか。
